肘内障?子供が急に腕を使わなくなった時の対処法

肘内障

肘内障・・・「さっきまで元気に遊んでいたのに、急に腕を使わなくなった…」そんな場面に出くわしたお父さん、そしてお母さん、慌てて検索してたどり着いたのではないでしょうか?

子どもの突然の腕の痛みでよくあるのが「肘内障(ちゅうないしょう)」という状態です。この記事では、柔道整復師である筆者が、肘内障の基礎知識から整復の方法、そして病院へ行くべき判断基準まで、医学的・科学的根拠に基づいて詳しく解説します。

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肘内障(ちゅうないしょう)とは、子どもの肘の関節にある「橈骨頭(とうこつとう)」という骨が、靭帯から一時的に外れかかる状態を指します。

輪状靭帯

医学的には「橈骨頭亜脱臼(とうこつとうあだっきゅう)」と呼ばれ、5歳以下の子どもによく見られます。関節が完全に外れるわけではないため、レントゲンで異常が見つからないことも多いです。

肘内障は主に以下のような場面で起こります。

引っ張る
  • 手を引っ張ったとき(例:転びそうな子を引っ張り上げた)
  • 遊んでいる途中で腕がねじれた
  • 着替えさせるときに腕を持ち上げた

橈骨頭を固定する輪状靭帯は、5歳くらいまで未発達のため、ちょっとした引っ張りでもズレやすいのです。

特に2〜4歳での発生率が高く、そして女児にやや多いという傾向があります。

肘内障を起こすと、次のような特徴的な症状が見られます。

  • 腕をだらんと下げて動かさない
  • 肘を曲げたり伸ばしたりしようとしない
  • 肘を触ると嫌がるが、激しく泣くことは少ない

セルフチェックのポイント

  • 痛がっている手を、子ども自身が使おうとしない
  • 腕を持ち上げようとすると嫌がる
  • でも、手のひら、そして指を触っても激しい痛みはない(骨折ではない)

これらの症状が一致すれば、肘内障の可能性が高いです。

肘内障の整復には、以下の2つの手技がよく使われます。それぞれに特徴があり、子どもの反応や術者の慣れによって使い分けられます。

ただし、基本的には整復は医療機関(整形外科や整骨院)で専門家に行ってもらうのが安全です。

休日や夜間で病院が空いていない場合や、どうしても応急的に対応したいという状況下での参考情報として紹介しています。無理に行うと悪化する恐れもあるため、十分に注意してください。

✅ 回外法(Supination-Flexion Method)

📌 特徴: もっとも古くから使われている整復法で、多くの整骨院や病院で採用されています。

📝 手順

回外法
  1. 子どもの肘を軽く曲げた状態で、手首を持ちます。
  2. 反対の手で肘の外側(橈骨頭)をやさしく触れておきます。 → 整復時の「コクッ」という感触を確認できます。
  3. 子どもの手のひらを外側に向けるように、ゆっくり回します(回外)。
  4. 回外しながら、そのまま肘を曲げて、手を肩のほうに近づけます(屈曲)。

成功すると「コクッ」または「カチッ」という音や感触があり、数分以内に子どもが腕を使い出します。

⚠ 注意点:

  • 無理に引っ張らない
  • 回外の動きが不十分だと成功しづらい
  • 子どもが緊張していると成功率が下がるため、リラックスが重要

✅ 回内法(Pronation Method)

📌 特徴: 近年の研究で回内法のほうが成功率が高いという報告もあり、動きがスムーズな子に特に有効です。

📝 手順

回内法
  1. 肘を軽く曲げた状態で、手首をやさしく持ちます。
  2. 反対の手で肘の外側(橈骨頭)を軽く触れておきます。
  3. 手首を内側へくるっと回すように(回内)なめらかに動かします。 → 手のひらを下に向けるような動きです。

整復が成功すると、「コクッ」または「カチッ」という音や感触があり、すぐに腕を動かし始めることが多いです。

⚠ 注意点:

  • 力任せはNG
  • 子どもが嫌がる場合は無理せず
  • 痛がって暴れるときは専門家に任せる

🔬【エビデンス】 「Pronation vs Supination Techniques in Nursemaid’s Elbow」では、回内法のほうが成功率が高いとする報告もあります(成功率80〜90%)。

ただし、術者の慣れや子どもの状態により、最適な方法は異なります。

・整復を自分で試すのが怖い

・子どもが強く泣いて痛がっている

・整復後も動かさない、そして腫れがある

・何度も肘内障を繰り返している

このような場合は、無理に整復せず整骨院や整形外科を受診してください。

  • 子どもを安心させて、無理に腕を動かさせない
  • 氷や冷やしたタオルで軽く冷やす(痛みが強いとき)
  • 手を引っ張らない抱っこ、そして遊び方を心がける
  • 着替えやお風呂も無理に腕を上げない
腕を全く使おうとしない
↓
数分待っても回復しない
↓
→ 整復を試しても反応がない
↓
→→【整骨院・病院を受診】

整復後、すぐに腕を動かす
↓
→【そのまま経過観察】

肘内障は見た目に目立つケガではありませんが、放置すると痛みや不安につながります。

今回ご紹介したように、簡単な整復で改善することが多いため、正しい知識と対応を知っておくことが大切です。

✅ 少しでも不安があれば、無理せず整骨院や病院へ

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Q1. 肘内障は再発しますか?

A. はい、輪状靭帯が未発達な年齢(〜5歳)では再発しやすいです。特に手を引っ張る動作には注意しましょう。

Q2. 骨折との違いはどう判断する?

A. 肘内障では骨折のような腫れ・内出血は少なく、手や指を軽く動かせることが多いです。判断に迷うときは医療機関へ。

Q3. 整復は自宅でやっても大丈夫?

A. 正しい知識があれば可能ですが、失敗すると悪化のリスクもあるため、基本は整骨院や医師に任せるのが安心です。

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