前十字靭帯損傷・断裂とは?原因・治療を専門家が解説

前十字靭帯損傷

前十字靭帯損傷・断裂「膝がガクッと抜ける感じがする」「運動中にブチッという音がした」そして「歩くのが怖い」……。 それは前十字靭帯損傷かもしれません。 ACL損傷はスポーツ選手に限らず、日常生活でも起こる膝の代表的な外傷です。 本記事では、前十字靭帯損傷についての医学的基礎から、治療・リハビリ・そして再発予防まで、詳しく解説します。

関連記事

・立ち上がる時の膝の痛み:原因と改善法を専門家が解説

・膝関節の構造と痛みの原因|専門家が解説

前十字靭帯(ACL:Anterior Cruciate Ligament)は、膝関節内にある靭帯の一つで、大腿骨と脛骨をつなぎ、そして前方への移動や捻じれを制御する重要な構造です。

前十字靭帯

ACL損傷には以下の分類があります:

  • 部分損傷:靭帯の一部が切れている状態。保存療法で改善が可能なこともあります。
  • 完全断裂:靭帯が完全に切れてしまっている状態。関節の不安定性が強く、そして手術が推奨されるケースが多いです。

ACL損傷は、接触プレー以外でも発生します。以下のような動作が主な原因です:

  • 着地時に膝が内側に入る(knee-in toe-out)
  • 急停止からの方向転換(カッティング動作)
  • ジャンプの着地
  • 外力による膝の捻り

スポーツ(バスケ・サッカー・バレーボール・スキー)や、転倒、そして交通事故なども原因となります。

【主な症状】

  • 膝関節内の痛み、そして腫れ(24時間以内に出現)
  • 膝が抜けるような感覚(膝崩れ)
  • 可動域の制限
  • 膝関節に力が入らない感じ

【セルフチェック】

  • 立位で片足に体重をかけたとき、膝が不安定に感じる
  • 階段を下りるときにガクッとする
  • MRI:靭帯の状態、そして半月板・軟骨損傷の有無を確認
  • X線:骨折、そして関節内異常を除外
  • 徒手検査(ラックマンテスト、前方引き出しテスト、そしてピボットシフトテスト)

徒手検査

ACL損傷の臨床診断には以下の徒手検査が有効です。

ラックマンテスト(Lachman Test)

  • 仰向けで膝を30度屈曲させる
  • 大腿部を固定しながら脛骨を前方に引き出す
  • 前方への動きとエンドフィール(抵抗感)の有無を確認
  • 前方への移動が大きく、抵抗感がなければ陽性

前方引き出しテスト(Anterior Drawer Test)

  • 仰向けで膝を90度屈曲させ、足を固定
  • 両手で脛骨を前方に引き出す
  • 前方移動が健側より大きければ陽性

ピボットシフトテスト(Pivot Shift Test)

  • 膝を完全伸展から屈曲させながら、脛骨に内旋・そして外反ストレスを加える
  • 脛骨が前方から後方に「コクッ」と戻る感じがあれば陽性

損傷の重症度は以下の通り:

  • Grade I(軽度):繊維の伸び
  • Grade II(中等度):部分断裂
  • Grade III(重度):完全断裂

🔸保存療法

  • リハビリによる筋力強化(大腿四頭筋・そしてハムストリングス)
  • 装具の使用による関節安定化
  • 姿勢、そして歩行の指導

🔸手術療法(ACL再建術)

  • 自家腱(半腱様筋腱、そして膝蓋腱)を用いた再建術
  • 術後は段階的なリハビリ(術後〜6ヶ月でスポーツ復帰)

✅ストレッチ

  • 大腿四頭筋ストレッチ:まず、うつ伏せで膝を曲げて足首を持ち、もも前面を伸ばす。
  • ハムストリングスストレッチ:まず、仰向けで片足を上げて、タオルなどで引き寄せて伸ばす。

✅筋トレ

  • ヒールスライド:まず、仰向けで膝を曲げ伸ばしして、可動域回復を図る。
  • クアドセッティング:大腿前面に力を入れて膝を伸ばす。
  • 膝周囲筋(特にハムストリング)の強化
  • 体幹・そして股関節の安定化
  • スポーツ特有の動作訓練(ジャンプ、着地、方向転換)
  • 姿勢、そしてアライメントの改善
  • 動作パターンの修正(特に女性アスリートに多いknee-inを防ぐ)

年齢

  • 若年層(10代〜30代):活動レベルが高く、手術による長期的安定性を重視
  • 中高年(40代以降):活動量が低ければ保存療法で経過を見ることも可能

活動レベル

  • 競技スポーツ従事者:手術が推奨される
  • 日常生活中心:保存療法でも対応可能。ただし、不安定性が強ければ手術も選択肢

関節の不安定性

  • 頻繁な膝くずれ・完全断裂:手術適応
  • 軽度不安定・部分損傷:保存療法で改善の余地あり

フローチャート

🔻STEP 1:膝をひねった・ジャンプ着地・転倒などのケガをした?

      NO → ACL損傷の可能性は低い → 安静+様子観察
           ※ただし痛みや腫れが続くなら受診を検討

       YESはstep2へ
        ↓
🔻STEP 2:「ブチッ」「ポキッ」という音がした?

      NO → 音がなくても損傷の可能性あり → 次のSTEPへ

      YESはstep3へ
        ↓
🔻STEP 3:受傷後1〜2時間以内に膝が腫れた?

      NO → 徐々に腫れてきたなら他の靭帯損傷や骨挫傷の可能性あり → 整形外科受診推奨

      YESはstep4へ
        ↓
🔻STEP 4:膝に「グラグラする」「抜ける感じ」がある?

      NO → 不安定性がなくても軽度損傷の可能性あり → できれば受診    して徒手検査を

       YES
        ↓
前十字靭帯損傷の可能性大 → 整形外科でMRI・徒手検査を受けましょう!

前十字靭帯損傷は、軽視すると将来的に変形性膝関節症や半月板損傷を併発する可能性があります。 早期の正確な診断、そして目的に応じた治療方針の選択が大切です。

・症状が出たら早めに医療機関を受診しましょう

・自宅ケアを継続しながら、必要であれば手術も選択肢に

・セルフケア・そしてエクササイズを習慣化することが再発予防のカギです

Q:ACLが切れたまま放置するとどうなる?

A:関節の不安定性が続き、半月板、そして軟骨の損傷につながる可能性があります。

Q:手術後はどれくらいで復帰できますか?

A:リハビリを含めて6〜9ヶ月を目安にスポーツ復帰が可能です。

Q:保存療法でもスポーツに復帰できますか?

A:不安定性が少なく、筋力が十分あれば復帰可能ですが再発リスクもあります。

✅ LINEで無料ストレッチ動画を配信中!
✅ SNSでも健康情報を発信中。
本記事が参考になった方は、ぜひご家族、そしてご友人ともシェアしてください。
また、もっと詳しく知りたい方は当院のLINEにご登録ください。無料相談、そして最新情報やセルフケア法をお届けしています。
👉 [LINE登録はこちら]

Instagramでは為になる情報を発信
👉 [Instagramフォローはこちら]

関連記事

・立ち上がる時の膝の痛み:原因と改善法を専門家が解説

・膝関節の構造と痛みの原因|専門家が解説

令和整骨院

福岡市博多区千代1-22-24

092-260-3019

#腰 #膝 #首 #肩 #背中 #整骨院 #マッサージ #腰痛 #肩こり #むくみ #博多区 #令和整骨院 #膝関節 #姿勢 #構造 #前十字靭帯

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA