左のお尻が痛い原因と対処法5選

左のお尻が痛い

左のお尻が痛い・・・「座っていると左のお尻がズーンと痛む」「立ち上がる時にピリッと走る痛みがある」そして「最近、長く歩けない」…そんな違和感、放置していませんか?

実際、私の整骨院にも「原因がよくわからないけど、左のお尻がずっと痛い」と訴える方がよく来院されます。中には、腰椎の異常や坐骨神経痛など、放置すると悪化するケースも少なくありません。

この記事では、医学的・構造的な視点から、左のお尻の痛みの「原因」「対処法」そして「受診の目安」までを詳しく解説します。読み終える頃には、あなた自身の状態を見極め、適切な行動がとれるようになると思います。

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お尻の痛みは「筋肉」「関節」そして「神経」など、さまざまな組織が関係しています。ここでは主な原因を3つのカテゴリに分けてご紹介します。

2-1. 構造的原因

原因名解説
坐骨神経痛腰椎〜仙骨から出る神経が圧迫されて発症。多くは「椎間板ヘルニア」そして「脊柱管狭窄症」が背景にあります。
仙腸関節障害骨盤の関節(仙腸関節)が不安定になり、そして左側のみに痛みが出ることがあります。
梨状筋症候群梨状筋というお尻の深層筋が坐骨神経を圧迫。主に片側(多くは左)に出ることが特徴。

2-2. 機能的原因(柔道整復師の臨床経験より)

私が現場でよく見るのは、「姿勢のアンバランス」による筋肉の過緊張です。特に以下のケースは要注意です。

  • 骨盤が左に傾き、そして左側に荷重がかかっている
  • 左のお尻の筋肉(大殿筋、そして中殿筋)が過緊張している
  • 腸腰筋の弱化による代償性の殿筋負担

こうした筋バランスの崩れは、一見整形外科的な疾患がなくても痛みを引き起こすのです。

2-3. 生活習慣・心理的背景

  • 長時間のデスクワーク(左脚を組む癖)
  • 立ち仕事での片側荷重
  • 精神的ストレス → 筋緊張の増大

👉こうした背景は「筋膜の癒着」そして「血行不良」を招き、慢性的なお尻の痛みにつながることがあります。

以下のセルフチェックで、あなたの痛みのタイプを見極めましょう。

チェック項目YES/NO
長時間座ると痛みが悪化する
左脚を上げるとお尻がズキッと痛む
お尻から太もも裏までしびれるような感覚がある
朝起きた時にお尻の痛みが強い

2項目以上当てはまる方は、坐骨神経、または仙腸関節由来の痛みの可能性があります。すぐに対策を始めましょう。

4-1. 病院での治療法

治療法内容適応ケース
画像診断(MRI・レントゲン)椎間板ヘルニア・骨折の有無を確認神経症状がある場合
薬物療法鎮痛薬・筋弛緩薬の処方強い痛み・急性症状
リハビリ理学療法士による運動療法慢性疼痛・再発予防

4-2. 整骨院・整体での治療法

柔道整復師としての私の経験では、以下の手技が特に有効です。

手技療法特徴
筋膜リリース硬くなった殿筋、腰部筋膜を緩める
トリガーポイント療法中殿筋・梨状筋の圧痛点へのアプローチ
骨盤矯正左右のバランス改善で根本的な負担軽減

※ただし、神経症状が強い場合は医療機関との併用が望ましいです。

ストレッチ① 梨状筋ストレッチ

やり方:

  1. まず仰向けで膝を立てる
  2. 次に、左足首を右膝の上に乗せる(4の字)
  3. そして、両手で右膝を胸に引き寄せる
  4. 左のお尻が伸びていればOK

目安:1回30秒×2〜3セット/1日2回

ストレッチ② 殿筋マッサージ(フォームローラー使用)

  1. フォームローラーの上に左のお尻を乗せる
  2. 体重をかけながら前後にゆっくり動く
  3. 痛気持ちいい部分で20秒キープ

目安:1日2回、5分程度

左お尻フォームローラー

ストレッチ③ 骨盤前傾エクササイズ(キャット&ドッグ)

  1. 四つ這いになり、背中を丸める(ドッグ)
  2. 背中を反らせて骨盤を前傾(キャット)
  3. 呼吸と連動して10回繰り返す

骨盤の可動性UP・神経への圧迫緩和に効果的

キャット&カウ

ストレッチ④ ハムストリングスのリリース

  1. 仰向けで片脚を天井に伸ばす
  2. タオルをかけて脚を胸に近づける
  3. 太もも裏の伸びを感じる

ストレッチ⑤ 腸腰筋ほぐし

  • 壁に手をついて、右脚を前・左脚を後ろへ引く
  • 骨盤を前にスライド
  • 左そけい部が伸びるよう意識
ふくらはぎストレッチ
対策内容
姿勢改善デスクワーク時の骨盤サポートクッション活用
歩行指導左右の脚で均等に体重をかける意識づけ
運動習慣週3回の軽いウォーキングが理想
ストレスケア呼吸法・瞑想も筋緊張緩和に有効
【痛みのフローチャート】

▼ 痛みが3日以上続いている
 → YES:次へ / NO:セルフケア継続

▼ 足にしびれや脱力感がある
 → YES:病院(整形外科)受診へ / NO:次へ

▼ 自宅ケアを2週間以上続けても変化なし
 → YES:整骨院など専門機関を受診 / NO:経過観察
  • 左のお尻の痛みは、「筋肉」「神経」そして「関節」のいずれかが原因であることが多い
  • 原因を見極めることで、対処法は大きく変わる
  • 自宅でのセルフケアは有効だが、神経症状・慢性痛は医療機関との連携が重要
  • 整骨院では、筋膜や骨盤のバランス改善に特化した施術が可能

まずは**“今の自分の状態”を把握し、できることから実践**してみてください。

Q1. 左のお尻の痛みがずっと治らないのはなぜ?
→ 姿勢の歪み・筋膜の癒着・そして神経圧迫など、原因が複合している可能性があります。まずは原因の明確化が大切です。

Q2. 整骨院と整形外科、どちらを先に行けばいい?
→ 神経症状(しびれ、そして脱力)があるなら整形外科、筋肉・姿勢の問題なら整骨院が適しています。

Q3. ぎっくり腰との違いは?
→ ぎっくり腰は腰部中心の急性痛。お尻の痛みが中心なら、梨状筋、そして坐骨神経の可能性があります。

Q4. 痛みが右ではなく左だけに出るのはなぜ?
→ 体の使い方の偏り、骨盤の歪み、または内臓反射など左側特有の原因があることも。

Q5. 市販の湿布や鎮痛剤は効果ありますか?
→ 一時的には有効ですが、根本原因の改善にはストレッチ、または施術が必要です。


信頼できる医学情報として、以下の論文を参考にしています:

  • Piriformis Syndrome: A Review of the Pathophysiology, Diagnosis, and Treatment. Pain Physician. 2005;8(1):49-54. [PubMed PMID: 16850030]
  • Effectiveness of Manual Therapy and Exercise for Treating Lumbopelvic Pain. Spine (Phila Pa 1976). 2012 Apr 1;37(7):E407-15. [PubMed PMID: 21912310]

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