肘関節の構造と痛みの原因|専門家が解説

1. はじめに
肘関節・・・「整形外科でレントゲンを撮ったけど異常なし。でも、肘の痛みは続いている」
そんな経験はありませんか?
肘は「曲げ伸ばし」だけでなく回旋、または捻じれを伴う動きを担う複雑な関節です。そのため、レントゲンやMRIに異常がなくても筋肉・靭帯・神経・軟部組織の構造的な異常が原因となることが多くあります。
この記事では、
- 肘関節の構造を詳しく解説し
- どのように痛みが生じるか
- どのような治療が必要か
を整形外科、そして整骨院の視点からわかりやすくご紹介します。構造を知ることで、「なぜ痛むのか」を納得し、そして根本的な改善に近づけるはずです。
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目次
- はじめに
- 肘関節とは?
- 肘関節に関連する主な疾患と構造的原因
- 痛みの症状と構造の関係性
- 医療機関・整骨院での治療法
- あなたが取るべき次のステップ
- まとめ
- よくある質問
- 引用・参考文献
2. 肘関節とは?
▶ 肘関節は「3つの関節」が組み合わさっている
肘関節(elbow joint)は、以下の3つの関節から構成されます。
関節名 | 構成骨 | 主な動き |
---|---|---|
腕尺関節 | 上腕骨×尺骨 | 屈曲・伸展 |
腕橈関節 | 上腕骨×橈骨 | 屈曲・伸展 |
橈尺関節 | 橈骨×尺骨(近位) | 回内・回外(捻り) |

▶ 周囲の組織
・靭帯:内側側副靭帯(UCL)、そして外側側副靭帯(RCL)などが関節の安定性を保持

・筋肉:上腕二頭筋(屈曲・回外)、上腕三頭筋(伸展)、そして円回内筋(回内)などが関与

・神経:尺骨神経(内側)、橈骨神経(外側)、そして正中神経が走行

これらが密接に関係し合い、日常動作、またはスポーツにおける複雑な運動を支えています。
3. 肘関節に関連する主な疾患と構造的原因
①上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
- 原因:前腕伸筋群の腱付着部に過負荷がかかる
- 構造的背景:外側上顆への牽引ストレスが繰り返される
- 症状:物を持ち上げる、またはドアノブを回す動作で痛む
②上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)
- 原因:屈筋群の過緊張による内側上顆への負荷
- 構造的背景:円回内筋、そして橈側手根屈筋などの牽引
- 症状:ペットボトルを開ける動作などで痛む
③肘部管症候群
- 原因:尺骨神経の絞扼・圧迫
- 構造的背景:肘部管(内側上顆後方)での神経通過障害
- 症状:小指・薬指のしびれ、そして握力低下
④関節内遊離体(関節ネズミ)
- 原因:骨や軟骨の破片が関節内に存在
- 構造的背景:離断性骨軟骨炎、または外傷後に起こる
- 症状:関節が引っかかる、そして動かしにくい
4. 痛みの症状と構造の関係性
痛みの出る場所と、その構造を以下に整理します。
痛む部位 | 関連する構造 | 症状の例 |
---|---|---|
外側の肘 | 外側上顆・前腕伸筋腱 | テニス肘・握力低下 |
内側の肘 | 内側上顆・円回内筋 | ゴルフ肘・物を持ち上げると痛む |
肘の内側~小指 | 尺骨神経・肘部管 | しびれ・筋力低下 |
関節の中 | 軟骨・滑膜・遊離体 | 動きにくさ・引っかかり感 |
関節の動きと構造のどこにストレスが集中するかを理解することが、根本原因の特定に役立ちます。
5. 医療機関・整骨院での治療法
▶ 医療機関(整形外科)
- 画像診断:レントゲンで骨変形、MRIで軟部組織や神経を評価
- 治療:
- 消炎鎮痛薬
- ステロイド注射(テニス肘・滑液包炎など)
- 物理療法(超音波・電気刺激)
- 手術(重度の神経障害・関節内遊離体)
▶ 整骨院での構造的アプローチ
- 徒手検査で筋・腱・靭帯・神経の走行を確認
- 施術例:
- 筋膜リリース(前腕・上腕)
- 関節モビリゼーション(肘関節の遊び改善)
- テーピング・ストレッチ・運動療法
- メリット:日常動作との関連性を見抜き、構造的負荷を改善できる
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6. 読者が取るべき次のステップ
・痛みが2週間以上続く場合は、専門医に相談しましょう
・レントゲンで異常なしでも「構造的評価」が必要
・整骨院での構造分析・手技療法は初期の対応として有効です
・スポーツや仕事動作に痛みが関連している場合は、早期対処が鍵
7. まとめ
肘関節の痛みには、単純な筋疲労だけでなく、構造的なストレス、神経の絞扼、そして関節内の異常が関与していることがあります。
レントゲン、またはMRIで異常が出なかったとしても、「なぜ痛むのか?」を構造の視点で理解することで、納得できる治療方針が見えてきます。
もしあなたが「原因がわからず困っている」なら、今一度、構造の専門家に相談することを検討してみてください。
8. よくある質問
Q1. 構造を見てもらうには何科を受診すればよい?
A. 整形外科で骨・神経を評価し、異常がない場合は整骨院などで構造的分析を受けるのがおすすめです。
Q2. レントゲンとMRI、どちらが必要?
A. 骨の変形にはレントゲン、そして腱・靭帯・神経の評価にはMRIが有効です。両方を組み合わせると判断材料になります。
Q3. 痛みがなくなったら通院はやめていい?
A. 痛みが消えても「構造的な負荷」が残っていれば再発リスクがあります。さらに数回のフォローアップが推奨されます。
9. 引用・参考文献
- 日本整形外科学会『肘関節の疾患ガイド』
- 『関節の構造と運動機能 第3版』医学書院
- Standring S. Gray's Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice
- PubMed:Ulnar Nerve Entrapment at the Elbow – Pathophysiology and Treatment
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