膝関節の構造と痛みの原因|専門家が解説

1. はじめに
膝関節の構造・・・「膝が痛い。でも病院では異常なしと言われた…」そして「年齢のせいかと思って放置している…」
そんな声を多く耳にします。実は膝の痛みの原因の多くは、関節内部の構造的な変化、そしてバランスの崩れから来ており、レントゲンでは映らない問題が存在することも少なくありません。この記事では、膝関節の構造とそこに起因する症状を医学的・解剖学的に掘り下げながら、整骨院、そして整形外科での対応、日常的な対策まで徹底的に解説します。
目次
- はじめに
- 膝関節の構造とは?
- 膝関節の構造に関連する主な疾患と外傷
- 症状の詳細と構造的な原因
- 医療機関や整骨院での治療法
- あなたが取るべき次のステップ
- まとめ
- よくある質問
- 参考文献・引用
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2. 膝関節の構造とは?
膝関節は大腿骨(femur)・脛骨(tibia)・膝蓋骨(patella)の3つの骨から構成される蝶番関節であり、屈伸運動を中心に高い負荷に耐えるよう設計されています。以下、主要構造を解剖学的に解説します。
①骨と関節
- 大腿骨:内側顆、そして外側顆の丸みを帯びた構造が脛骨と連動。
- 脛骨:脛骨プラトーと呼ばれる平坦面が荷重を支持。
- 膝蓋骨:膝前面の小骨で、膝蓋腱と大腿四頭筋腱を介して関節の伸展に寄与。

②靭帯構造
- 前十字靭帯(ACL):脛骨の前方移動を防止。
- 後十字靭帯(PCL):脛骨の後方移動を防止。
- 内側側副靱帯(MCL):内反を制御。
- 外側側副靱帯(LCL):外反を制御。
③半月板
- 内側・外側の半月板があり、線維軟骨で形成。衝撃の吸収、そして関節安定化に寄与。内側は固定性が高く損傷しやすい。

④筋と腱
- 大腿四頭筋:膝伸展に関与。
- ハムストリングス:屈曲と膝の安定化に寄与。
- 腸脛靱帯(ITバンド):膝外側を安定化。


⑤膝蓋下脂肪体(Hoffa’s fat pad)
- 膝蓋骨下にある脂肪組織で、関節動作に伴う摩擦を緩和。ここが線維化すると炎症源に。

3. 膝関節の構造に関連する主な疾患と外傷
膝の構造に由来する疾患は多岐にわたります。加齢、スポーツ、そして事故など、原因ごとに分類して解説します。
①加齢・変性疾患
- 変形性膝関節症(OA):軟骨の摩耗により骨同士が接触し痛みを生じる。内側型が最多。
- 膝蓋大腿関節症:膝蓋骨、そして大腿骨の関節面の摩耗。階段昇降で顕著に痛む。
- 滑膜炎:関節内滑膜の炎症。腫脹と熱感、そして関節液の貯留がみられる。
②スポーツ・運動時の外傷
- ACL損傷(前十字靭帯断裂):ジャンプストップ動作で切れやすい。
- PCL損傷(後十字靭帯断裂):後方からの衝撃で発生。
- MCL損傷(内側側副靱帯):外反ストレスで損傷。
- LCL損傷(外側側副靱帯):内反ストレスで損傷。
- 半月板損傷:ひねり動作で損傷、そしてロッキングやクリック音を伴う。
- ジャンパー膝(膝蓋腱炎):膝蓋腱の炎症。バスケ・バレー選手に多い。
- 腸脛靱帯炎(ITバンド症候群):ランナーに多く、膝外側の擦れが原因。
③成長期や骨の異常
- オスグッド・シュラッター病:成長期の脛骨粗面に痛みと隆起。
- 離断性骨軟骨炎(OCD):関節軟骨と骨が剥がれ、遊離体になることも。
- ベーカー嚢腫:膝裏の腫れ、そして圧迫感。関節液貯留の一形態。
④その他の構造的障害
- 鵞足炎:内側の筋腱が脛骨内側で摩擦。
- 膝蓋下脂肪体障害:線維化、そして炎症により膝前面が痛む。
- 腫瘍性病変:まれに骨腫瘍、そして滑膜肉腫も関節痛の原因になる。
4. 症状の詳細と構造的な原因
症状ごとに、どの構造が原因かを具体的に示します。
①前方痛
- 膝蓋腱炎:走跳動作で膝下の痛み。
- 膝蓋大腿関節症:正座、そして階段昇降で膝上に痛み。
- 脂肪体障害:膝伸展時に前方に鋭い痛み。
②内側痛
- 鵞足炎:階段、そして坂道で内側下方に痛み。
- 変形性膝関節症:荷重時に内側軟骨摩耗が進行。
- 内側半月板損傷:体重移動で引っかかり、そしてロック感。
③外側痛
- ITバンド症候群:膝外側に刺すような痛み。
- 外側半月板損傷:若年層に多く、繰り返すクリック音が特徴。
④後方痛
- ベーカー嚢腫:膝裏の違和感、そして圧迫感。
- ハムストリングス腱障害:屈曲時の痛み。
⑤不安定感・可動域障害
- 靭帯損傷:関節の不安定性(膝が外れそうな感覚)。
- 半月板損傷:完全屈伸できず、関節内で引っかかる。
5. 医療機関や整骨院での治療法
🔹 整形外科での対応
- 画像検査:X線、またはMRIで構造的損傷を把握。
- 注射・投薬:ヒアルロン酸、ステロイド、そしてNSAIDsなど。
- 手術:靭帯再建術、半月板縫合術、人工関節置換術。
🔹 整骨院での対応
- 評価:視診・触診・徒手検査で機能評価。
- 物理療法:超音波・電気刺激で炎症・疼痛を軽減。
- 運動療法・筋力再教育:バイオメカニクスの視点から筋力、そして関節安定性の回復を図る。
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6. あなたが取るべき次のステップ
- 症状が続く場合は整形外科でMRI検査を受けることを検討
- 明らかな構造損傷がなければ整骨院での機能評価・リハビリ的介入も有効
- 関節に優しい体重管理、そして筋力トレーニングを継続する
7. まとめ
膝の痛みの背後には、複雑な構造的要因が関与しています。骨・靭帯・半月板・筋腱といった各組織の状態を理解することで、的確な治療選択、そして予防が可能になります。症状を放置せず、早期の評価、そして適切な対応が回復の鍵です。
8. よくある質問
Q1. レントゲンで異常なしでも痛むのはなぜ?
→ 軟部組織(半月板・靭帯・筋肉)の問題はX線では見えないことが多いため、MRIが必要です。
Q2. 膝の手術後、整骨院に通うのは意味ありますか?
→ はい。術後の機能回復や再発予防において運動療法は極めて有効です。
Q3. どんな靴が膝に優しいですか?
→ クッション性と安定性を兼ね備えた靴。ヒールは避け、ソールの厚いウォーキングシューズなどが良いでしょう。
9. 参考
文献・引用
- 日本整形外科学会『変形性膝関節症ガイドライン』
- 医歯薬出版『関節運動学的アプローチ』
- Brukner & Khan's Clinical Sports Medicine(第5版)
- Gray's Anatomy(第42版)
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